風見京子 [Kyoko Kazami]
女優紹介
デビューは1999年であるらしい。初期の名義は「神野美雪」だが1年ほどは企画女優としての活動だったのか、追える作品として最も古いのが2000年11月15日リリースの『痴女グランプリ(ネクストイレブン)』(※廃盤)で、このあたりから単体作品なども目立ってくる。2001年に「風見京子」に改名したのだが、特徴的なのはフリーになり引退する2008年まで活動したということで、いわば2年かけてAV女優としての地位を獲得したと言えるかもしれない。
『風見京子』という女優はスレンダーなスタイルとクールフェイスが独特で、長身を活かしたSっ気がある痴女物を得意とした。三十路のオバねーさんが若い男を誑かし官能を仕込む、いうなれば女王様という役どころだが恐らくは女優志向(演じる)が元から強かったのではないか。
フィルモグラフィを見ると女王様然とした作品の一方で、ヒビノ、アタッカーズ、マドンナ、川崎軍二監督作品などドラマ性の高い作品に出演し、2002年には「酒井あずさ」名義で後藤大輔監督の『OL発情 奪う!』にも出ている。後藤大輔監督というのは牧場での見事な愛憎劇を描き(『痴漢義父 息子の嫁と…』2003年/新東宝)、米国で高く評価された監督で、この作品は英語版のwikiにも詳細が掲載されている。(https://en.wikipedia.org/wiki/A_Lonely_Cow_Weeps_at_Dawn)
恐らくこのような流れがあってヘンリー塚本作品に起用されるようになったのではないかと思う。AV女優としての最後の2年はFAプロ専属であるかのようにヘンリー塚本作品に多く出演した。
ヘンリー塚本作品における「風見京子」の役どころに特段に何かの属性があったわけではないが、定番のストーリーを一周したという感じではあった。定番ストーリーを一周というのはヘンリー塚本作品に数多く出演している女優の基本的な共通事項ではあるが、色付けされていく傾向はある。例えば「風間ゆみ」=高Pセレブ婦人、というようなものであるが、「風見京子」はこの要素が極めて薄く、その時々で様々な役を的確にこなしたという印象が強い。
個人的なお気に入りは女中物で、棘もなく嫋やかで清楚ながらエロチックな和服女中は良く似合った。最終的にFAプロ作品には25本くらい出演したと思う。
『エロス・日本婦人のSEX』(2009年※元作品は2007年)下半身露出のエロチックな女中を演じた「風見京子」
引退後はしばらく風俗嬢をしていたようだが、2015年から「酒井あずさ」名義を復活させてピンク映画を中心に活動。「円城ひとみ」とも共演で一般映画にも出演した。(http://www.but-only-love.com)