湊みらい [Mirai Minato]
芸名の順番としては「高島湊」の後「湊みらい」となるのだと思う。改名する理由は”事務所が変わった””現役復帰した””イメージを変えるため”という仕事上の理由がほとんどなので、私は一般的な女優だと思っていたのだが、「湊みらい」というヘンリー塚本作品の御用達女優はFAプロとながえスタイル以外での出演が見られない。
故に独自調達の女優だと思っているのだが、他の作品に出る予定のない専属的な女優であれば改名する理由は仕事ではない。このような女優を私は他には知らないし(すまん。「宮崎ゆみか」→「織倉真琴」もそうだった…)、FA⇒ながえという子弟メーカー間の、いわば女優の貸し借り的な動きが見られてなかなか興味深いし、専属的(代表的)であったことは名女優シリーズの第三弾として挙げられたことからも推測できる。
FAプロでの初出演は恐らく2002年の『昭和エロ本 夏の世の性のいとなみ』であろうから当該作品がデビュー作ということになるのではないか。理知的な雰囲気のある女優だが腋毛がトレードマークであり、そのギャップが良い雰囲気を醸していた。そのためだろうが、女教師といったインテリ役が多かったのだが、タチ女というヘンリー塚本作品の重要な役処から見ればモニュメント的な女優だったと思う。
ヘンリー塚本作品のレズビアンは明確に”タチ女”と”ネコ女”に分類できる。百合族に引き込まれる被虐的なネコ女は「結衣美沙」など定番化していた女優もいるが、基本的には様々な女優が演じていたのに対して、加虐的なタチ女は言うなれば歴代タチ女という風に固定化した傾向にあった。「湊みらい」という女優は当代の代表的なタチ女で、その外見からは想像できない意外性のあるタチ女を多く演じた。
中でも個人的に印象深いのは、好みの女を便所に引きずり込み襲って無理矢理レズ化させる淫欲な中年女で、このパターンのストーリーでは白眉であると思う。
『女に抱かれるネコ/女を抱くタチ』(2009年※元作品は2006年)かわいい女を百合に引き込むタチ女を演じた「湊みらい」
引退時期はヘンリー塚本作品に出ていた時期とすれば2006年頃であるように思う。最終的にFAプロ作品に40本強、ながえスタイルにも数本出演した。当代の主要な女優であった。