白雪蓮 [Ren Shirayuki]
「白雪蓮」という女優もヘンリー塚本監督作品では馴染み深い。「白」と「雪」が名前に入っている通り色白美肌で抜群のプロポーションであるのだが、反して表情が厳つく非常に独特の雰囲気を持つ女優であった。少ないながらも他のメーカーの作品もあるのだが「白雪蓮」という女優もまたほぼFAプロで専属的に活動したと言えると思う。
特段に情報が残っている女優ではないので、足跡を辿るのは難しいのだがデビューは恐らく1999年8月10日の「夏の夜のエロ映像集(FAプロ)」あたりであろう。「白石雪」名義でデビューし「白雪蓮」に改名したのだと思う。生年月日が1971年9月6日とされているのでデビュー時は27歳であり、見た目からアラサーというのは間違いがないものと思われる。
「白雪蓮」の演じたタイプとして特筆すべきは昭和の貧困女であろう。床屋の女、新聞配達の女、屋台の女…。昭和の、と言ってもヘンリー塚本監督作品の代名詞でもある戦前戦中の和服の女ではなく、戦後の移り変わる世の中の片隅で生活に喘ぐ女の姿である。
『どうせこの世は男と女 熟女大全集』(2009年※初出は2006年) ホームレスを誘う屋台のおかみを演じた「白雪蓮」
アベックの青姦を見て発情する屋台の女店主。腹を空かしたホームレスにラーメンを与えて立ちバックでハマる。そのち●ぽの性能の良さを利用して淫欲な女の相手をさせる。社会の底辺に満ち満ちている腐臭漂うセックスだが、遠くには高層マンション群の明かりが見える。貧困とエレジーと逞しさ。その欲望の先には哀しさがあるのだ。
引退時期は定かではないが2009年頃まで活動したのではないか。出演本数は正確にカウントしないと定かではないが40本くらいであろうと思う。ヘンリー塚本作品におけるガチンコ変態妻であった。