藤森みゆき [Miyuki Fujimori]
「藤森みゆき」という女優も、この名前を知っているなら古くからのヘンリー塚本ファンと言えるかもしれない。他メーカーの作品も僅かではあるが確認できるので独自調達というのではないと思うが、出演はほぼFAプロのみであり、デビューもFAプロの『単身赴任の夫を持つ妻 外泊・朝帰り・白昼の情事』(1998年12月25日)なのではないか。
要するにヘンリー塚本作品でデビューし、ほぼヘンリー塚本作品への出演で活動を終えた、事実上、専属のような女優であったと思われる。すらっとしたプロポーションに、( ー`дー´)キリッとした男っぽい風貌をも湛え、非常に幅広く多くの作品に出演した「藤森みゆき」もヘンリー塚本作品のファンとしては印象深い女優である。
『満たされぬ性 痴女行為にふける妻』(2002年)お馴染み映画館でち●ぽを漁る人妻を演じた「藤森みゆき」
実際、「藤森みゆき」は実に様々な役柄を演じた。美少女、熟女、同性愛者、可憐なJKにもなれば淫欲な人妻にもなり、能動的な昭和女も演じれば被虐的な不憫な女も演じた。いわばヘンリー塚本作品におけるオールラウンドプレーヤーというか、御用達女優に属性がつきやすいヘンリー塚本作品の傾向から見ればなかなか稀有な存在だったように思える。
決して演技が上手かったわけでないが、朴訥とも言える淡々とした台詞回しや表情や仕草にはリアルさがあり、何の役柄を演じても違和感がない、いわば順応性において卓越していた。特に横顔で哀愁を語るというか、この辺は印象でしかないのだが、斜め45度くらいの角度で写されることが多かったようにも思う(斜め顔美人w)。
特に印象深いのは戦後間もない頃に禁断の愛を育むレズ教師で、時代と状況に流され、結婚することになった恋人とのひと夏を描いた作品は全編を通して切なさに満たされた名作である。
『ネコとタチ 25』(2003年)戦後間もない頃の許されない同性愛者を演じた「藤森みゆき」
FAプロへの出演が活動時期とすれば引退は2004年あたりになると思う。出演数は正確にカウントしないと分からないが80本ほど出演したのではないか。当代の代表的女優であった。