この世で一番美味い丼ぶり 母娘(おやこ)丼ぶり
[レビュー]
ヘンリー塚本監督作品の特徴を一つだけ挙げよ、と問われれば「忙しなさ」であると思う。とにかくストーリー展開の早さがただ事ではなく、幾らでも引き延ばせるものを、まるで装飾は全てが敵でもあるかのようにカッ飛んでいく。
最初の頃、私はこれがヘンリー塚本の性質──つまりそうとしか撮れない──ものだと思っていたのだが、全然そうではなくて、60分で撮る、30分で撮る、15分で撮るといった方法が個別に存在していて、どうとでも撮れるが15分や30分が一番好きということなんだろうな、と今では見ている。その60分寄りの撮り方で中編が2本。
1.義父が喰う母娘丼ぶりは「円城ひとみ」と「川越ゆい」が出演。この寝取り物は手を変え品を変え使われてきた定番のプロットだが、長編寄りの中編取りらしく母と娘の心情が饒舌に語られる。大女優・「円城ひとみ」の上手さは今更言うまでもないが、「川越ゆい」という女優がどれだけレベルが高いかは、例えば『ちょいワルスケベ爺様どものみだらでいやらしい行為』あたりと比較すると分かる。まさに自由自在。ある意味、女優の質の高さで短編に”ならなかった”のではないかと思う。
2.中年教師が喰う教え子の肉体は「宮崎あや」が出演。この作品は新基軸で面白い!女学生が教師に恋をしストーカー化するが、教師はそれほどでもなく懲罰的にセックスをする(で填まる)というプロットは昔からあって(例えば、『男が欲しい女の為のエロ本 やられたい夜!』(2007年「ゆり(中條美華)」パートなど)珍しくないのだが、その先が語られるケースははじめてかもしれない。「宮崎あや」はヘンリー塚本監督作品(FAではなく)は2本目だと思うが、この清楚系の美少女に飲尿までさせるという鬼畜仕様。
ちなみにエンディングのヘンリーダンスの後におまけがあるので見逃さないように♪